生産技術
熟練職人による匠の技と
多品種・小ロットに 対応したモノづくり
自社一貫生産体制が叶える軸受の生産工程は、鍛造から組み立てまで大きく6つの工程に分けられます。
NSK富山では、その全工程を自社で行う一貫生産体制が整っています。各工程では、無人化やコンピューター制御による自動化が進んでいますが、熟練の作業者による経験や技が今も活かされています。そして、そのクラフトマンシップがあるからこそ、高品質の製品が多品種・小ロットで生産できるのです。
生産工程
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鍛造
当社では、丸鋼材を軸受の材料として使用しています。軸受の製造工程では、まずこの鋼材を軸受の種類・サイズに合わせて切断します。次に、切断した鋼材を加熱炉で1000℃を超える温度に加熱し、鍛圧プレス、圧延機(ローリングミル)で加工し、鍛造リングを生成します。
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焼鈍(しょうどん)
焼鈍工程では、台車式加熱炉により球状化焼鈍を行っています。鋼材に応じた適切な温度管理を行い、金属組織の均一化を図り、後工程となる旋削工程において、削りやすくなるよう加工しています。
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旋削
鍛造リングを旋削加工で削り、軸受に近い形に削り出します。続いて、マシニング加工で穴加工や溝加工、切欠加工等を行います。当社の高岡工場では加工径φ100〜の軸受を加工し、八尾工場では加工径φ600〜の大型の軸受の加工を行っています。当社では、親会社であるNSK向けの軸受加工に限らず、NSKグループ以外のお客様向けの製品加工も行っています。
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熱処理
熱処理は、材料に熱を加え「焼入・焼戻し」を行い、軸受の用途と性能に合わせ、硬度の向上、靭性や耐久性を確保するための重要な工程です。材料表面に炭素を浸み込ませる「浸炭処理」を行う事で、衝撃に強い軸受のニーズにも対応します。
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研削
軸受製品の精度を高めるのが、研削加工となります。
研削加工はミクロン単位、転動体が転走する軌道面では超仕上げ加工により粗さは数百ナノ単位で加工されています。
各研削盤では、内外輪のサイズや材質に応じた条件設定がされており、適切な研削液や砥石を選定して、高精度・高品質の軸受加工を行っています。 -
組み立て
当社で製造しているのは、φ600〜の大型軸受です。研削工程で加工された内外輪とサプライヤーから供給された転動体を組み立てて完成品にします。組立作業は、熟練の作業者が1つひとつ手作業で行っています。だからこそ、多品種・小ロットにも対応でき、お客様のニーズに応えることが可能なのです。
生産設備
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帯鋸切断機
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鍛造圧延機(ローリングミル)
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鍛圧プレス
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自動倉庫
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磁粉探傷検査機
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超音波探傷検査機